「I think」は使って大丈夫!―英語で伝える一歩を止めないで

はじめに
「I think」を使うと、ネイティブはあまり言わないとか、もっと自然な言い方があると指摘されることがあります。
でも、実際の世界では「I think」はとても自然でよく使われる表現です。
映画・ドラマ・日常会話・ビジネスの会議など、あらゆる場面で登場します。
この記事では、
・なぜ「I think」が誤解されやすいのか
・言語学的な意味と役割
・日常英会話での実際の使われ方
・代わりに使える表現
・「I think」を使うか迷うより、伝えたい気持ちが大事
をまとめて解説します。
なぜ「I think」が誤解されるのか
日本では英語を学ぶとき、「I think」を便利な型として覚えます。
そのため、「I think」を多用する学習者が多く、英語上級者や一部のネイティブが「単調に聞こえる」と感じることがあるのです。
しかし、それは使いすぎが問題なのであって、「I think」そのものが不自然というわけではありません。
実際にネイティブの会話を聞けばわかりますが、「I think」は会話の中で頻繁に登場します。
違いは使い方の幅です。
ネイティブは「I think」を意見だけでなく、相手への配慮や会話をやわらげるクッションとしても使います。
言語学的に見る「I think」
言語学では、「I think」は単なる意見を述べる文ではなく、談話標識(ディスコースマーカー)と呼ばれる機能を持っています。
つまり、「I think」は「これから自分の考えを言いますね」という合図であり、同時に相手に対してやさしく意見を伝える働きをしています。
(彼が正しいと思うよ。)
→「I think」をつけることで、“断言ではなく自分の考え”という柔らかい印象になります。
It’s going to rain soon, I think.
(もうすぐ雨が降ると思う。)
→文末に置くと、より控えめで自然なトーンになります。
このように、「I think」は英語特有の距離のとり方ややさしさを表現する大切な一言なのです。
日常英会話での「I think」
英語圏では、友人同士でも職場でも「I think」はごく普通に使われています。
B: Hmm, I think I’ll stay home. I’m tired.
(うーん、今日は家にいようかな。疲れてるし。)
A: Is this restaurant good?
B: Yeah, I think so! Their pizza is amazing.
(うん、そう思う!ピザがめっちゃおいしいよ。)
このように、「I think」は意見・気持ち・予想・軽い相づちなど幅広く使われます。
日本語でいう「~と思うよ」「~かな」に近く、会話の潤滑油のような役割です。
「I think」を自然に使うコツ
1.文頭だけでなく、文末に置く
- He’s coming soon, I think.(控えめ)
- I think he’s coming soon.(普通)
2.「I really think」「I don’t think」などでバリエーションをつける
- I really think you should try it.(本当に試してみるべきだと思う)
- I don’t think it’s a good idea.(いい考えじゃないと思う)
3.返答表現を覚える
- “Is he coming?” “I think so.”
- “Will it rain?” “I don’t think so.”
これらはどれも自然で、ネイティブが毎日のように使う表現です。
「I think」以外の表現
「I think」に近い意味で使える表現も覚えておくと、表現の幅が広がります。
表現 | ニュアンス | 例文 |
---|---|---|
I guess | カジュアルに「~かな」 | I guess he’s busy today. |
I suppose | やや控えめ・フォーマル | I suppose you’re right. |
I believe | 強い信念・確信 | I believe she can do it. |
It seems (that) | 観察・印象 | It seems that he’s not interested. |
Personally | 個人的な意見を強調 | Personally, I think English is fun. |
同じ「思う」でも、言葉のトーンで印象が変わります。
英語は気持ちの温度を表すのがとても上手な言語なのです。
それでも一番大事なのは「伝えたい気持ち」
ここが最も大切なポイントです。
「I thinkを使うのは不自然かな」と迷うよりも、まずは自分の考えや気持ちを相手に伝えることが何よりも大事です。
言葉は完璧でなくても伝わります。
「I think」から始まるあなたの一言が、会話を広げ、相手との理解を深めるきっかけになります。
英語を話す目的は「正確に使うこと」ではなく、「相手とつながること」です。
少し不自然でも、思いを込めた英語の方が、ずっと心に響きます。
外国人が日本語を話しているとき、あなたは直しますか?
もうひとつ考えてみたい視点があります。
外国人が一生懸命日本語を話していて、少し不自然な表現を使ったとしても、わざわざ「日本人はそんな言い方しないよ」と指摘するでしょうか?
多くの人は、そんなことは言いません。
むしろ「日本語上手ですね!」と笑顔で会話を続けるはずです。
では、なぜ英語になると、私たちは「ネイティブはそう言わない」と言いたくなるのでしょうか?
それは、多くの日本人が「英語=正解がある教科」として学んできたからです。
文法的に正しいかどうかが気になってしまい、“通じるかどうか”より“正しいかどうか”を優先してしまうのです。
しかし、言葉は教科ではなくコミュニケーションの道具です。
「I think」が不自然かどうかよりも、「何を伝えたいのか」「どんな気持ちで話しているのか」の方が、ずっと大切なのです。
I thinkは“人とつながる”ための表現
「I think」は、決して避けるべき表現ではありません。
むしろ、英語で意見や気持ちを伝えるための最もシンプルで、最も人間らしい表現です。
・ネイティブも日常的に使っている
・柔らかく意見を伝えることができる
・文頭・文末でニュアンスを変えられる
・他の表現と組み合わせることで自然さが増す
そして何より大切なのは、
「I think」を使うか迷うよりも、あなたの“伝えたい気持ち”を優先すること。
英語は完璧でなくても伝わります。
自信を持って「I think」を使いましょう。
それが、世界中の人とつながる最初の一歩になるはずです。
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