最近SNSでよく見る「ネイティブはそんな言い方しない」「こんな言い方はしないで」という発信。
英会話のレッスン中にも、生徒さんからこんな質問を受けることがあります。
「SNSでこの言い方はしないでって言われてるんですけど、使わないほうがいいですか?」
最近ではYouTubeやインスタ、TikTokなどで、英語表現の解説がたくさん見られるようになりました。
とても勉強になる情報も多いですが、中には「これは失礼」「ネイティブは絶対言わない」といった内容もあります。
確かに、そういう情報を見ると「間違った英語を使ったら恥ずかしい」と思ってしまいますよね。
でも、私はいつもこう答えています。
「そんなに気にしなくて大丈夫です。伝える気持ちの方がずっと大事ですよ。」と。
伝える気持ちが一番大事
会話の中で使う英語は「完璧に話すためのもの」ではなく、「伝えるための道具」です。
多少文法が間違っていたり、表現が少し違っていても、相手に伝わる英語なら、それはもう正しい英語です。
たとえば「I am fine, thank you.」をSNSで「そんな言い方ネイティブはしない」と見ることがありますが、実際は全く問題ありません。
教科書的で少しかしこまった表現なだけで、意味が通じるし、丁寧な英語です。
大切なのは、「正しいか」よりも「伝わったか」。
そして、相手に話したい気持ちがあるかどうかです。
日本語に置きかえてみよう
もし日本に来た外国の方が、一生懸命に「ニホンゴ、ムズカシイデスネ。でも、ワタシガンバリマス!」や「アナタハゲンキデスカ?」
と話してくれたらどう感じますか?
「日本人はそんな言い方しない」なんて言う人はいませんよね。
むしろ、「すごい!頑張ってる!」と笑顔になるはずです。
英語も同じです。
少し不自然でも、一生懸命話している姿は必ず伝わります。
そして、相手はあなたの英語力を批判するのではなく、「話してくれて嬉しい」と感じてくれます。
気にせずどんどん話そう
英会話の上達で一番大事なのは、間違いを恐れずに話すことです。
話さない限り、英語は伸びません。
「この表現でいいのかな?」
「失礼に聞こえたらどうしよう…」
そんなふうに考えてしまうのはとても自然なことですが、実際に英語を話すときには、正解を探すよりも、勇気を出して話す方がずっと大事です。
ネイティブスピーカーは、多少違う言い方をしてもちゃんと理解してくれます。
そして、文法よりも「あなたの気持ち」を大切にしてくれます。
ネイティブ並みの英語は、あとで考えればOKです。
「ネイティブはそう言わない」と言われても、実はその多くは「より自然な言い回し」の紹介に過ぎません。
でも、それを初心者のうちから完璧に意識するのは逆効果です。
ネイティブのように話せるようになるのは、何年も英語を使い続けてから自然に身につくこと。
習い始めのいま大切なのは、「完璧さ」ではなく「慣れ」と「勇気」。
ネイティブ並みの表現を目指すのは、英語でスムーズに会話できるようになってからで十分です。
中学英語をしっかり学ぼう
多くの人が「もっと自然な英語を話したい」と思いますが、実はその土台となるのは中学英語です。
I want to go.
I like it.
これらはとてもシンプルですが、実際の会話でも頻繁に使われる基本表現です。
ネイティブでも毎日のように使いますし、ビジネス英語でも普通に登場します。
つまり、「基礎英語でも十分通じる」ということです。
基礎英語でも立派なコミュニケーション
SNSで「この言い方はネイティブっぽくない」と書かれている表現の多くは、「カジュアルすぎる」または「フォーマルすぎる」など、スタイルの違いにすぎません。
例えば「I’m sorry」も「My bad」もどちらも「ごめんね」ですが、後者はよりくだけた表現です。
でも、「My bad」を知らなくても全く困りません。
「I’m sorry」だけでも、十分に気持ちは伝わります。
通じる英語が話せれば、それで100点です。
目標は「ネイティブになること」ではない
英語を学ぶ目的は、「ネイティブになること」ではなく、英語で人と繋がること、コミュニケーションを取ることです。
英語は文化や考え方を共有するためのツール。
だからこそ、「完璧な文法」よりも「気持ちを伝える力」を重視しましょう。
ネイティブのように話すことは素敵な目標ですが、それは最終地点であって、出発時点で考える必要はありません。
他にも「こう言うと失礼」などの情報が見かけられます。
もちろん、間違っているわけではありませんが、多くの場合は文脈による違いです。
たとえば「Can you~?」はカジュアルな聞き方だけど、失礼ではありません。
フォーマルな場では「Could you~?」を使う方が良い、というだけ。
「Why did you come to Japan?」は失礼で、来ないでほしいと皮肉めいた意味がある。
「What brought you to Japan?」と言わないと失礼?
いいえ、そんなことはありません。
ネイティブ同士の会話では当たり前のことでも、英語を第2言語として学んでいる日本人がそう言っても、そんな気持ちはなく、純粋に聞いているだけ。
全く気にする必要はありません。
どちらも正しいし、どちらも使えます。
言い方や表情、場面によって「丁寧さのレベル」が変わるだけなのです。
英語は「伝えるためのツール」
英語を話すときに大切なのは、正確さよりも伝える姿勢です。
外国人の方が日本語を一生懸命話してくれているのを見たとき、「文法がちょっと違う」「その言い方は失礼だ」なんて気にしませんよね。
同じように、あなたが英語で一生懸命話していれば、相手はちゃんと理解してくれます。
だから、SNSのルールや細かい使い方にとらわれすぎず、自信を持って、どんどん話していきましょう。
✅伝える気持ちがいちばん大事
✅中学英語でも立派に通じる
✅ネイティブ並みの表現は、あとで身につければOK
✅SNSの「これは言わない」は気にしすぎない
英語を学ぶことは「正解を探す旅」ではなく、「伝える楽しさを知る旅」です。
間違いながら、笑いながら、少しずつ上達していけばいい。
あなたの英語は、すでに誰かを笑顔にできる英語です。


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