英語で「住んでいた/住んでいる」と言いたいときに使い分けたい4つの表現、I lived / I have lived / I have been living / I used to live。日本語ではどれも似た訳になりがちですが、英語では「今も続いているか?」「過去の習慣だったのか?」といった時間感覚の違いがはっきり表れます。できる限り直感的に理解できるよう、例文をたっぷり使って整理します。
1. I lived ~(過去形):「(過去に)住んでいた」
I lived は「過去の事実」を述べる形。基本的に今はその状態ではないことを示します。
- I lived in Tokyo when I was a child.
(子どものころ東京に住んでいた。) - We lived in Canada for three years.
(3年間カナダに住んでいた。) - He lived alone before he got married.
(結婚前は一人暮らしだった。)
ポイント:過去の枠の中で完結。現在とのつながりは示しません。
2. I have lived ~(現在完了):「(過去から今まで)住んでいる」
I have lived は過去から今まで続いている状態を表します。つまり今もそこに住んでいる前提です。期間表現(for / since)と相性抜群。
- I have lived in Osaka for five years.
(5年間大阪に住んでいる。) - She has lived in New York since 2010.
(2010年からずっとNYに住んでいる。) - They have lived here all their lives.
(生まれてからずっとここに住んでいる。)
ポイント:結果(今も住んでいるという事実)に焦点。
3. I have been living ~(現在完了進行形):「(今も)住み続けている」
I have been living は継続の途中感をより強く出す形。最近の変化や「住み始めてから今もずっと」を強調したいときに便利。
- I have been living in Kyoto since last year.
(去年からずっと京都に住み続けている。) - We have been living together for a few months.
(ここ数か月一緒に暮らしている。) - She has been living in London, but she’s planning to move.
(ロンドンに住み続けているが、引っ越す予定。)
ニュアンス比較:
- I have lived:結論・結果(今も住んでいる)
- I have been living:プロセス・継続(住み続けている最中)
4. I used to live ~(used to構文):「(昔は)住んでいた」
I used to live は過去の習慣/以前はそうだったが今は違うことを強調します。過去形よりも「今との対比」が濃い表現です。
- I used to live in Kobe.
(昔は神戸に住んでいた。) - We used to live near the station.
(以前は駅の近くに住んでいた。) - There used to be a park here.
(昔はここに公園があった。)
ポイント:「今は違う」を明確に伝えたいときは used to が最適。
5. lived と used to live の期間表現の違い
同じ「住んでいた」でも、lived は「期間(for~)」と一緒に使っても自然ですが、used to live はやや不自然に聞こえることがあります。その理由を整理してみましょう。
① used to は「過去の習慣・状態」を表す
used to は「以前はそうだった(今は違う)」という過去の状態をまとめて表す表現です。つまり「昔そういう時期があった」と言いたいだけで、具体的にどのくらいの期間続いたか には焦点を当てません。
そのため、期間表現(for three years など)をつけると、少し違和感が出ます。
❌ 不自然な例:
I used to live in Tokyo for three years.(意味は通じるがネイティブには少し変に聞こえる)
✅ 自然な言い換え:
I lived in Tokyo for three years.(3年間東京に住んでいた)
I used to live in Tokyo.(昔は東京に住んでいた)
ポイントは、「期間を言いたいなら lived」、「昔そうだったことを言いたいなら used to」 です。
② for+期間 は「具体的な継続」を表す
for three years のような表現は「その期間中ずっと続いていた」という具体的な継続を意味します。一方で、used to は「漠然とした過去」を指すため、両者の焦点が合いにくいのです。
③ 曖昧な期間なら使えることもある
完全に文法的に誤りではありませんが、使えるのは「曖昧で短い期間」を表すときに限られます。
- I used to live in London for a short time.
(少しの間ロンドンに住んでいたことがある。) - I used to live in New York for a couple of years.
(2年ほどニューヨークに住んでいたことがある。)
このように、「for a short time」「for a few years」など曖昧な表現なら自然に使えます。
④ まとめ
| 表現 | 期間と一緒に使う自然さ | ニュアンス |
|---|---|---|
| I lived in Tokyo for three years. | ◎ とても自然 | 過去に3年間住んでいた(今は違う) |
| I have lived in Tokyo for three years. | ◎ 自然 | 過去から今まで住んでいる |
| I have been living in Tokyo for three years. | ◎ 自然 | 今も住み続けている途中 |
| I used to live in Tokyo for three years. | △ やや不自然(曖昧ならOK) | 昔そうだったことを強調(期間より状態) |
まとめると:
- 「for+期間」を言いたいなら → lived
- 「昔そうだった(今は違う)」を言いたいなら → used to
- 「今も続いている」なら → have lived / have been living
英語では「used to」は「懐かしい過去」「今は違うこと」を伝えるための表現。期間を説明するよりも、「変化のある時間」を伝えるイメージで使うのがポイントです。
6. 4つの表現を並べて比較
| 表現 | 時制/構文 | 意味 | 今も続く? | コアイメージ |
|---|---|---|---|---|
| I lived | 過去形 | (過去に)住んでいた | × | 過去の枠で完結 |
| I have lived | 現在完了 | (過去から今まで)住んでいる | ○ | 結果・到達点 |
| I have been living | 現在完了進行 | 住み続けている(進行中) | ○ | プロセス・継続 |
| I used to live | used to 構文 | 昔は住んでいた(今は違う) | × | 過去の習慣・対比 |
7. 例で一気に理解しよう(同じ題材を時制違いで)
- I lived in Tokyo.
(過去に東京に住んでいた。今は違う。) - I have lived in Tokyo for five years.
(5年間ずっと東京に住んでいる。今も住んでいる。) - I have been living in Tokyo since 2019.
(2019年から住み続けている最中。) - I used to live in Tokyo.
(昔は東京に住んでいたが、今は違う。)
8. 会話にそのまま使えるQ&A
(過去形)
- A: Where did you live when you were a kid?
B: I lived in Hokkaido.
(子どものころどこに住んでた?/北海道。)
(現在完了)
- A: How long have you lived in Osaka?
B: I have lived here for six years.
(大阪にどれくらい住んでるの?/6年。)
(現在完了進行)
- A: You moved here recently, right?
B: Yeah, I’ve been living here for about three months.
(最近引っ越してきたよね?/うん、3か月くらい住んでる。)
(used to)
- A: Do you know this area?
B: Yes, I used to live around here.
(この辺詳しい?/うん、昔このあたりに住んでた。)
9. よくあるミスとコツ
- I lived in Osaka for five years.(5年間住んでいた→今は違う)
I have lived in Osaka for five years.(5年間住んでいる→今も住んでいる) - for / since の使い分け:
for+期間(for five years)/since+起点(since 2019) - I have lived と I have been living:
どちらも正しいが、進行の途中感を出したい時は have been living が自然。 - I used to は「今は違う」を暗示。懐かしさ・対比を出したい時に有効。
10. ミニドリル(声に出して練習)
- (今も)3年間パリに住んでいます。
→ I have lived in Paris for three years. - (過去)高校のときは寮に住んでいました。
→ I lived in a dorm when I was in high school. - (継続強調)この2か月ずっと兄と一緒に住んでいます。
→ I have been living with my brother for two months. - (昔は)この通りの近くに住んでいました。今は違います。
→ I used to live near this street.
11. まとめ(使い分け早見)
- I lived:過去の事実。今は違う。
- I have lived:過去→現在へ続く結果。今も住んでいる。
- I have been living:継続の途中・「今」を強調。
- I used to live:昔はそうだったが今は違う(習慣/状態)。
英語は「時間の感じ方」を言葉で描き分ける言語です。自分が伝えたい「今」との関係(続いているのか/終わっているのか/昔との対比なのか)を意識して、最適な形を選びましょう。


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